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『ヴィレッジ 声帯切村(コエキリムラ)』-『進撃の巨人』が着想に!? 全編セリフなしホラー、本編映像解禁[動画あり]

『ヴィレッジ 声帯切村』より © 2025 C2 MOTION PICTURE GROUP. ALL RIGHTS RESERVED. FILMS/TV SERIES
『ヴィレッジ 声帯切村』より © 2025 C2 MOTION PICTURE GROUP. ALL RIGHTS RESERVED.

『ヴィレッジ 声帯切村(コエキリムラ)』より、脚本家サイモン・バレットのインタビューと本編映像が解禁された。


『ヴィレッジ 声帯切村(コエキリムラ)』は、“音を出したら即死”という極端なルールが支配するカルト村を舞台に、全編セリフなしで描かれるサバイバル・ホラーである。脚本を手掛けたのは、『サプライズ』『ザ・ゲスト』でジャンル映画の評価を確立してきたサイモン・バレット。製作は『ロングレッグス』『THE MONKEY/ザ・モンキー』を手掛けたC2 Motion Picture Groupが担当し、主演には『レディ・オア・ノット』などで知られるサマラ・ウィーヴィングが名を連ねる。

本作では、言葉による説明を徹底的に排し、息遣いや身体の動きだけで恐怖と感情を伝えるという大胆な表現に挑戦。さらに、その世界観の着想源のひとつとして、日本のアニメ作品「進撃の巨人」の存在が明かされた。今回、バレット自身が制作の裏側を語るインタビューとともに、異形の存在が迫る緊迫の本編映像が解禁され、作品の全貌が少しずつ浮かび上がってきた。

日本アニメ「進撃の巨人」から着想-サイモン・バレットが語る発想の原点

『サプライズ』『ザ・ゲスト』などで現代ホラーを牽引してきた脚本家サイモン・バレットが、本作で選んだのは“説明しない”という大胆なアプローチだった。物語の発端について彼は、「すべては二晩続けて見た悪夢から始まった」と語り、観客に解釈の余地を委ねる世界観を最初から意図していたことを明かしている。

恐怖の象徴となる異形の存在についても、バレットは既存のホラー表現との差別化を強く意識していたという。「彼らをただのゾンビのように描きたくなかった」とした上で、決定的なインスピレーションとして挙げたのが日本のアニメ作品「進撃の巨人」だった。「監督に『進撃の巨人』を観せたんだ。あの動き方は誰も映画でやっていないから、やるなら今だ」と振り返り、その独特な身体表現や動きの質感を映画に取り入れようとした経緯を語っている。

さらに、全編セリフなしという脚本についても、撮影直前まで葛藤があったという。「撮影が始まっても“本当に伝わるのか?”と不安だった」と率直な心境を吐露するが、その不安を払拭したのが主演サマラ・ウィーヴィングの存在だった。「彼女は瞳だけで語れる」と確信した瞬間、作品の方向性が定まったという。悪夢、日本のアニメ文化、そして極限の表現主義が融合することで、本作ならではの異様な世界観が形作られていった。

『ヴィレッジ 声帯切村』 © 2025 C2 MOTION PICTURE GROUP. ALL RIGHTS RESERVED.

『ヴィレッジ 声帯切村』 © 2025 C2 MOTION PICTURE GROUP. ALL RIGHTS RESERVED.

全編セリフなしという極限表現-サマラ・ウィーヴィングが体現した“声なき恐怖”

『ヴィレッジ 声帯切村(コエキリムラ)』における最大の特徴のひとつが、全編を通してセリフが存在しないという演出である。登場人物たちは声を発することができず、恐怖や痛み、抵抗の意思はすべて視線や呼吸、身体の動きによって表現される。この極端な設定は、観客に説明を与えるのではなく、映像そのものから感情を読み取らせることを目的としている。

脚本を担当したサイモン・バレット自身も、この試みには当初不安を抱えていたと明かしている。「撮影が始まっても“本当に伝わるのか?”と不安だった」と語るように、言葉を排した物語が成立するかどうかは未知数だった。しかし、その懸念を一変させたのが主演サマラ・ウィーヴィングの存在だった。「彼女は瞳だけで語れる」と確信したことで、作品の方向性に迷いはなくなったという。

『ヴィレッジ 声帯切村』より © 2025 C2 MOTION PICTURE GROUP. ALL RIGHTS RESERVED.

『ヴィレッジ 声帯切村』より © 2025 C2 MOTION PICTURE GROUP. ALL RIGHTS RESERVED.

声帯を切られた少女という役柄のリアリティを追求するため、撮影現場では通常とは異なるアプローチが取られた。バレットは、「偽のささやき声を作ると、首や顔の筋肉の動きに違和感が出てしまう」と説明し、ウィーヴィングには実際に叫ぶ演技を求めたという。「だから思い切り叫んでもらい、ポストプロダクションで音を重ねた」と振り返る。この方法によって、音のない世界でありながら、観る者に強烈な“声なき叫び”を感じさせる表現が生み出された。

身体表現だけで恐怖と覚醒を描き切ったウィーヴィングの演技は、物語の根幹を支える要素となっている。沈黙が支配する過酷な世界の中で、感情がどのように伝達され得るのか。本作はその問いに、極限まで研ぎ澄まされたパフォーマンスで応えている。

正体不明の“何か”が迫る-血と沈黙のサバイバルを捉えた本編映像解禁

今回解禁された本編映像では、『ヴィレッジ 声帯切村(コエキリムラ)』の世界観を象徴する、極度の緊張感に満ちた一幕が映し出されている。生贄として“処刑椅子”に拘束された少女・アズラエルは、必死にもがきながら逃走を試みるが、村の男に制止され、逃げ場を失っていく。沈黙の中で交錯する視線と荒い息遣いが、言葉以上に切迫した状況を伝えてくる。

やがて、背後から突如として正体不明の“何か”が姿を現し、状況は一変する。男は一瞬にして捕食され、目の前には凄惨な光景が広がる。なぜアズラエルは生贄として狙われるのか。森の奥に潜む存在の正体とは何なのか。映像は多くを語らず、断片的な情報だけを提示することで、観る者の想像力を強く刺激する構成となっている。

サイモン・バレットが「進撃の巨人」から着想を得たと語る、異形の存在の不規則で生々しい動きも印象的だ。人間とは明らかに異なる身体感覚で迫り来るその姿は、従来のホラー映画における怪物像とは一線を画しており、沈黙と暴力が支配する本作ならではの恐怖表現を際立たせている。血に濡れたサバイバルの行方は、スクリーンでこそ体感すべきものだろう。

【動画】異形の存在が迫る緊迫の本編映像

本編映像とインタビューによって、その異様な世界観の一端が明らかになった『ヴィレッジ 声帯切村(コエキリムラ)』。沈黙と暴力が支配する極限状況の中で、人間はどこまで生き延びることができるのか。全編セリフなしという大胆な表現で描かれる本作は、ホラーというジャンルの枠を押し広げる一本となりそうだ。2026年1月2日(金)より、全国公開される。

作品情報

原題:AZRAEL
監督:E・L・カッツ
脚本:サイモン・バレット
出演:サマラ・ウィーヴィング、ヴィク・カルメン・ソンネ、ネイサン・スチュワート=ジャレット、カタリナ・ウント、エーロ・ミロノフ
製作年:2024年
製作国:アメリカ、エストニア
上映時間:86分
映倫区分:R-15
配給:AMGエンタテインメント
©2025 C2 MOTION PICTURE GROUP. ALL RIGHTS RESERVED.

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