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映画『グッドワン』2026年1月公開-17歳の少女が見た“大人の不完全さ”-静かな夏の3日間が心を揺らす

『グッドワン』 © 2024 Hey Bear LLC. FILMS/TV SERIES
『グッドワン』 © 2024 Hey Bear LLC.

第77回カンヌ国際映画祭で新人監督賞にノミネートされた映画『グッドワン』が、2026年1月16日(金)に公開されることが決定した。


カンヌ・サンダンスが認めた新鋭監督-“気づきの3日間”を描く成長譚

第77回カンヌ国際映画祭でカメラドール(新人監督賞)にノミネートされ、第40回サンダンス映画祭でも高い評価を得た映画『グッドワン』(原題:GOOD ONE)が、2026年1月16日(金)より全国公開される。
監督はインディア・ドナルドソン。名匠ロジャー・ドナルドソン監督の娘としても知られ、本作が長編監督デビュー作となる。カンヌでの鮮烈なデビュー後、映画批評サイトRotten Tomatoesでは批評家スコア98%を獲得。さらにナショナル・ボード・オブ・レビューでは新人監督賞を受賞するなど、国際的に注目を集めた。

物語の主人公は、17歳の少女サム。父とその旧友とともに出かけた2泊3日のキャンプを通じて、彼女は“大人の不完全さ”に気づき、自分の中に芽生える違和感と静かに向き合っていく。
『レディ・バード』『アフターサン』に続く“新世代のまなざし”が紡ぐ本作は、派手な展開ではなく、沈黙や気づきの瞬間を丁寧にすくい取った成長譚として注目されている。

静かなキャンプの旅が映す“成長”の瞬間-大人の不完全さを見つめる少女

17歳の少女サム(リリー・コリアス)は、父クリス(ジェームズ・レグロス)と彼の旧友マット(ダニー・マッカーシー)とともに、ニューヨーク州キャッツキル山地へ2泊3日のキャンプに出かける。几帳面で支配的な父と、人生に行き詰まる友人。ふたりのあいだで空気を読み、気遣い続けるサムは、静かな自然の中で次第に“大人の不完全さ”を知っていく。

やがて、父の行動がきっかけとなり、サムの中で揺るぎないと思っていた“親子の信頼”が崩れていく。沈黙とわずかなすれ違いのなかで、彼女は初めて“自分の内側の声”を聞き取ろうとする。
派手な事件や劇的な展開ではなく、微細な感情の変化を丁寧にとらえた本作は、成長とは何かを静かに問いかける。

音楽を担当するのは、ロサンゼルスを拠点とするアーティストセリア・ホランダー。余白を活かしたサウンドスケープが、人物の感情をそっと包み込む。また、自然光で撮影された映像は、キャッツキル山地の静けさとサムの心の揺らぎを重ね合わせ、観る者の記憶に深く残る映像詩のような仕上がりとなっている。

ポスタービジュアル&予告編解禁-「いいこなんかじゃない」に込められた葛藤

『グッドワン』 © 2024 Hey Bear LLC.

『グッドワン』 © 2024 Hey Bear LLC.

このたび解禁されたポスタービジュアルは、森の中で何かを見つめるサムの姿を切り取った印象的な一枚だ。デザインを手掛けたのは、『わたしは最悪。』『ナミビアの砂漠』『私たちが光と想うすべて』などで知られるアートディレクター石井勇一氏。

コピー「いいこなんかじゃない」という言葉が、中央に配置された手書きのタイトルロゴ「GOOD ONE」とともに、サムの内面を象徴している。ロゴの“GOOD”部分を引き延ばし、中央の「OOO」をぐるぐると描いたデザインは、少女が抱える“もやもや”した感情や、「いい子でいよう」とする意識と“ほんとうの自分”のあいだの揺らぎを表現している。

あわせて公開された予告編では、キャンプ中の穏やかな時間や何気ない会話が静けさの中に漂う緊張感とともに描かれる。父と友人の不器用なやり取り、娘の沈黙、そして見えてくる“大人の不完全さ”。音楽と自然光の映像が呼応し、観る者の記憶に残る“気づきの3日間”を予感させる内容となっている。

【動画】映画『グッドワン』予告編

作品情報

タイトル:『グッドワン』
原題:Good One
監督・脚本:インディア・ドナルドソン
出演:リリー・コリアス ジェームズ・レグロス ダニー・マッカーシー
2024年/アメリカ/英語/89分/2.00:1/5.1ch/カラー/日本語字幕:堀上香
©2024 Hey Bear LLC.
提供:スターキャット
配給:スターキャット アルバトロス・フィルム
公式サイト:https://cinema.starcat.co.jp/goodone/
公式X:@goodone0116

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