『ファンタスティック・フォー』(2005)でドクター・ドゥームを演じたジュリアン・マクマホンが死去。享年56歳
『ファンタスティック・フォー』『NIP/TUCK -マイアミ整形外科医-』などで知られる俳優ジュリアン・マクマホンが、7月2日(現地時間)に死去した。死因はがんで、闘病は公にされていなかった。享年56歳。家族によると、フロリダ州クリアウォーターにて静かに息を引き取ったという。
がんとの闘病の末に-妻が声明で発表
訃報は、妻のケリー・マクマホンによって発表された。声明では、ジュリアンが「人生を愛し、家族や友人、仕事、そしてファンを深く愛していた」と記され、次のような言葉が寄せられている。
“ジュリアンは今週、がんを克服しようとする勇敢な努力の末、穏やかに亡くなりました。彼は人生を愛していました。家族を、友人を、仕事を、そしてファンの皆さんを愛していました。彼の最大の願いは、多くの人に喜びを届けることでした”
さらに、家族のプライバシーへの配慮と共に、彼が人生にもたらした喜びを忘れずに生きてほしいというメッセージも加えられている。
『NIP/TUCK』『チャームド』など代表作多数
ジュリアン・マクマホンは1968年7月27日、オーストラリア・シドニーに生まれた。父は1971年から1972年までオーストラリア首相を務めたビリー・マクマホン。家系的にも注目を集める存在だったが、自身はモデルとして芸能活動を開始し、やがて俳優の道へと進んだ。
俳優としてのキャリアは、1989年のオーストラリアの昼ドラ『The Power, the Passion』で始まり、続いて『Home and Away』(1990~91年)などに出演。1992年にはオーストラリアとアメリカ合作の映画『Wet and Wild Summer!』で映画デビューを果たす。
その後ハリウッドに活動の拠点を移し、アメリカのソープオペラ『Another World』(1993年)を経て、NBCの犯罪ドラマ『プロファイラー/犯罪心理分析官』(1996〜2000年)にレギュラー出演。続くファンタジードラマ『チャームド~魔女3姉妹~』では、悪魔コール・ターナー役として人気を博した。
転機となったのは、ライアン・マーフィーが手がけた医療ドラマ『NIP/TUCK -マイアミ整形外科医-』(2003〜10年)への出演だ。整形外科医クリスチャン・トロイ役で主演を務め、ゴールデングローブ賞にもノミネートされるなど、国際的な注目を集めた。
ドクター・ドゥーム役など映画でも活躍
![『ファンタスティック・フォー[超能力ユニット]』© 2005 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.](https://i0.wp.com/cula.jp/wp-content/uploads/2025/07/IMG_5120.jpg?resize=800%2C530&ssl=1)
『ファンタスティック・フォー[超能力ユニット]』© 2005 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.
そのほか、サンドラ・ブロック主演のサスペンス『シャッフル』(07年)、ブルース・ウィリスらが出演したアクション映画『RED/レッド』(10年)などにも出演。多様なジャンルで演技の幅を広げた。
近年も俳優業を続けており、2024年にはオーストラリア映画『The Surfer(原題)』や、米国の食堂を舞台にした『アールズ・ダイナーのシュープリームス』に出演。最期の作品となったのは、Netflixのミステリードラマ『The Residence』で、彼はオーストラリアの首相役を演じ、自らのルーツに重なるキャラクターに取り組んでいた。
